「ダニは水につければ死ぬの?」「洗濯すればダニはいなくなる?」と気になって、調べている方も多いと思います。この記事では、東京都と環境再生保全機構(ERCA)の公的な資料をもとに、洗濯でできることと、足りないことをまとめました。
先にお伝えすると、水につけるとダニが死ぬと確認できる公的な資料は、この記事を書く時点で見つけられませんでした。一方で、「ダニのフンなどのアレルゲンは水で洗い流せる」ことや、寝具をこまめに洗うことは、公的な資料で勧められています。
読み終わるころには、「何を、どれくらいの頻度で洗えばいいのか」と「洗えないものはどうするか」が決まるはずですよ。
水につけるとダニはどうなる?洗濯でできること
水につけたときのダニ
ダニが水に浸かったときにどうなるのかについて、確認した東京都・ERCAの資料には、詳しい記載がありませんでした。そのため、この記事では「水につければ死ぬ」「死なない」のどちらも断定しません。
大切なのは、ダニが生きているかどうかだけではありません。東京都の資料では、ダニの死骸や抜け殻、フンもアレルゲンになると説明されています。ですので、ダニを減らすだけでなく、アレルゲンを取り除く手入れが必要です。
洗濯でできること
東京都のアレルギー情報naviには、「ダニのフンなどのアレルゲンは水で洗い流せるので、洗える素材を選び、寝具やぬいぐるみを定期的に洗う」という趣旨の説明があります。
- シーツや布団カバー、枕カバーは、こまめに取り替えて洗う(東京都)
- 布団類には必ずカバーを付け、そのカバーは週に1回は洗濯する(ERCA)
- 毛布やタオルケットは、年に2〜3回以上丸洗いする(東京都)
- 布団を干せない家庭では、布団の丸洗いが効果的。専門の業者に頼んで1年に2回ぐらい(東京都)
- 季節の変わり目や帰省から戻ったときは、事前に洗濯するか、乾燥させて掃除機をかけてから使う(ERCA)
- ぬいぐるみは、よく洗濯する。できれば置かない(ERCA)
- カーテンは定期的に洗濯する(東京都)
出典:東京都アレルギー情報navi、東京都健康安全研究センター「くらしの健康」第47号、ERCA 小児ぜん息Q&A。
洗濯だけでは足りないこと
洗濯をしても、洗えない布団本体や、枕、マットレス、カーペット、畳などには、ダニやアレルゲンが残る可能性があります。東京都とERCAの資料では、洗濯とあわせて、次のことが勧められています。
- 晴れた日に布団をよく干し、干したあとはたたかずに掃除機をかける
- 掃除機は、布団の表と裏に、1平方メートルあたり20秒以上かける(東京都は週1回が目安)
- 室内の湿度は60%以下を目安にする。梅雨は除湿機を使う
- 布団を敷くときは、就寝30分以上前に窓を大きく開けて行う
- 高密度繊維の防ダニカバー・防ダニシーツを使う
洗濯で気をつけたいこと
洗濯を続けるうえで、よく迷うのは「どの順番で洗えばいいか」と「洗えない物をどうするか」ではないでしょうか。公的な資料に洗う順番の決まりは見つけられなかったので、ここでは東京都・ERCAの目安に沿った、一例をお伝えします。
- まず、体に直接ふれるシーツ・布団カバー・枕カバーを週に1回洗う
- 次に、毛布やタオルケットを、年に2〜3回以上の丸洗いの予定に入れる
- 洗えない布団は、干して掃除機をかける日を決めておく
洗濯表示や商品ページの説明は、洗う前に必ず確認してください。洗えない寝具を無理に洗うと、傷む可能性があります。
ぬいぐるみやカーテンも、資料では「定期的に洗う」ものとして挙げられています。ただ、毎週の手入れに全部を入れると続きません。まず寝具のカバー類、次にぬいぐるみやカーテンの順で、洗う日を月ごとの予定に入れておくと、無理が出にくいです。
洗えない布団と、洗濯のあとのひと工夫
洗えない布団はどうする?
家庭の洗濯機で洗えない布団や、洗うのが難しい寝具もあります。東京都の資料では、布団を干せない家庭には、ダニの虫体やフンを丸ごと除去できる布団の丸洗いが効果的で、専門の業者に頼んで1年に2回ぐらい行うとよい、と紹介されています。
洗いに出さない場合は、晴れた日に干して、干したあとに掃除機をかける方法があります。ERCAは、日光干しは湿度の少ない時間帯に裏表まんべんなく行い、乾燥後は1平方メートルあたり20〜30秒かけて両面に掃除機をかけるよう説明しています。梅雨など干せない時期については、東京都の資料に、布団乾燥機を使うとよいとあります。
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洗える寝具を選ぶ
洗濯を続けやすくするには、洗える寝具を選ぶことも大切です。ERCAは、布団は羽毛や羊毛よりも、掃除機がけや洗濯ができる化繊や綿がよいと説明しています。毛布はウールを避けて化繊か綿がよい、枕はパイプ枕などアレルギーの原因になりにくいものが望ましい、ともあります。
「洗濯できるか」は、購入前の洗濯表示や商品説明で確認できます。買う前に、次の点を見ておくと安心です。
- 洗濯表示で、家庭の洗濯機で洗えるか
- 洗ったあとに乾きにくい厚みや素材ではないか
- 替えのカバーやシーツを、数枚そろえられるか
替えがあると、洗っている間も寝具を使えるので、週1回の洗濯を続けやすくなります。
干すときの目安として、ERCAは湿度の少ない時間帯を選ぶよう説明しています。干す時間を長くするより、乾いた状態で取り込んで、そのまま掃除機をかけるところまでを1セットにすると、手入れが途切れにくくなります。
洗濯のあと、寝具を戻すときのひと工夫
東京都の資料では、布団を敷いた直後は、ダニの虫体や死骸、抜け殻、フンが室内の空気中に浮遊するとされています。布団敷きは、就寝の30分以上前に、窓を大きく開けて行うのがよいと紹介されています。
ERCAも、布団の上げ下ろしのあとの2時間は、部屋を十分に換気するよう説明しています。洗濯したシーツをかけ替えるときも、窓を開けて換気しながら行うと安心です。
洗濯物の部屋干しに注意
ERCAのぜん息の悪化因子への対策ページには、「洗濯物の部屋干しはやめる」「加湿器は使わない」といった記載があります。室内の湿度が上がると、ダニが育ちやすい環境になるためです。
東京都の資料では、ダニの育ちやすい環境は、温度25℃前後・湿度75%前後とされています。洗濯したあとの寝具は、しっかり乾かして使うようにしましょう。
よくある疑問と、家のダニの基本
よくある疑問
Q. 洗濯の回数はどれくらい?
東京都は「こまめに」、ERCAは布団カバーなどを「週に1回は洗濯」と説明しています。毛布やタオルケットは、年に2〜3回以上の丸洗いが目安です。
Q. 洗濯物は部屋干ししてもいい?
ERCAは、洗濯物の部屋干しはやめるよう説明しています。室内の湿度が上がるためと考えられます。可能なら、日光や乾燥機でしっかり乾かしてください。
Q. 家族みんなの寝具を洗うべき?
ERCAは、同じ部屋で寝る人の寝具も同じように対策が必要と説明しています。自分の寝具だけをきれいにしても、同じ部屋にほかの寝具があれば、ダニやアレルゲンが残るおそれがあります。
Q. 洗剤や水温で、効果は変わる?
洗剤の種類や水温と、ダニやアレルゲンの減り方の関係は、この記事では公的な資料から確認できていません。洗濯表示にある水温や洗い方を守って、洗ってください。
ダニのアレルゲン量の目安
東京都の資料(くらしの健康 第47号)によると、世界保健機関(WHO)は、室内のホコリ1gあたりのダニのフン由来アレルゲン(Der1)が2μg以上(ダニ約100匹に相当)でダニアレルギーを発症する危険性があり、10μg以上(約500匹に相当)でぜん息発作を誘発する危険性があるとしています。
東京都が2016年10月に一般家庭10軒で調べたところ、9軒でホコリ1gあたり2μg以上、6軒では10μg以上が検出されました。身近な家にも、アレルゲンがたまっている可能性があるということです。
だからこそ、洗濯・乾燥・掃除機がけを、続けやすい範囲で習慣にすることが大切だと考えられます。
家のダニについて、知っておきたいこと
東京都の資料によると、一般の家庭で多いのは、チリダニ科のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニです。体長は0.3〜0.6mm程度、成虫の寿命は2か月程度。エサは、室内のチリやホコリ、人のフケやアカ、食べ物のカス、カビなどです。
ダニは、梅雨から夏にかけて繁殖し、秋に入ると死骸やフンが室内にたまりやすいため、秋にアレルギー症状が悪化する人がいるとも説明されています。また、東京都の調査では、ダニのフン由来アレルゲンは、寝具で最も高い値を示しました。洗濯は、その寝具のアレルゲンを減らす手段の1つです。
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ダニと洗濯のまとめ
- 水につけるとダニが死ぬと確認できる公的な資料は見つけられなかった
- ダニのフンなどのアレルゲンは水で洗い流せる。寝具はこまめに洗う
- 洗濯だけでは足りないため、干す・掃除機・湿度管理・換気をあわせる
- 洗える寝具(化繊や綿)を選ぶと、洗濯を続けやすい
かゆみやくしゃみ、皮膚の症状が続くときは、自己判断せず医療機関に相談してください。
まずは今週、シーツと枕カバーを洗うところから始めてみてください。洗ったあとは、しっかり乾かして、窓を開けて寝具を戻す。この流れが決まれば、あとは回数を少しずつ増やすだけです。
