「ダニって、虫だけど昆虫なの?」「足が何本あるの?」「クモの仲間って聞いたけど本当?」ある日、子どもと一緒に布団を掃除していた時に、「ねぇ、ダニって虫なのに足が多くない?」と聞かれて、思わずハッとしました。
私自身、何となく「小さな虫」くらいにしか思っていなかったダニ。よく考えてみれば、昆虫って6本足じゃなかったっけ?
そんな小さな疑問から、「ダニの足の数」や「そもそも何の仲間なのか」を徹底的に調べてみました。
この記事では、
- ダニの足の本数と構造
- 昆虫との決定的な違い
- なぜクモに近いと言われるのか
- ダニの不思議な進化と生き方
などを、できるだけ分かりやすく、子どもと一緒に読める内容でまとめています。

ダニの足は「8本」昆虫ではなくクモの仲間
まずは結論から。
ダニの足の数は「8本」です。
つまり、昆虫(6本足)ではありません。
分類上は「クモやサソリと同じ“クモ綱(Arachnida)”の仲間」に属します。
生き物 | 足の本数 | 分類 |
---|---|---|
アリ、ハエ、カブトムシ | 6本 | 昆虫綱(昆虫類) |
クモ、サソリ、ダニ | 8本 | クモ綱(鋏角類) |
つまり、
- 昆虫は「6本足」+「体が頭・胸・腹の3つに分かれている」
- ダニやクモは「8本足」+「体が2つに分かれている(前体・後体)」
こうした構造の違いが、分類を決定づけているのです。
ダニの体の構造をもう少し詳しく解説
ダニはとても小さいため、肉眼では見えないことがほとんどですが、顕微鏡で見ると、はっきりと8本の足が放射状に生えていることがわかります。
ダニの体は大きく2つに分かれる:
- 前体(ぜんたい):口や足が集中している部分
- 後体(こうたい):内臓や生殖器を持つ部分
ここが昆虫と大きく違います。
昆虫のように「頭」「胸」「腹」と分かれていないのです。
さらに、クモ綱の仲間には「触肢(しょくし)」という感覚器官のような足がついています。ダニの中にはこの触肢を持つ種類もあり、クモに近い構造であることの証拠となっています。
なぜダニは8本足なの?その進化の背景
ダニはおよそ4億年前から地球上に存在しているとされる非常に古い節足動物です。長い時間をかけて、土の中・水の中・動物の皮膚の上など、あらゆる環境に適応してきました。
もともとクモのような生活をしていた小さな節足動物が、進化の過程でどんどん小型化していき、現在のダニの形になったと考えられています。
8本足の利点は?
- 小さな体でもバランスが取りやすい
- 複雑な環境(布団の繊維や動物の毛)でも移動しやすい
- 細かな動きができ、獲物に素早く対応できる
これらの理由から、「足が8本あることが、ダニの生存戦略に適していた」と言えるでしょう。
昆虫との違いを子どもにもわかるように説明するには?
私が実際に子どもと話したとき、以下のような説明が一番しっくりきました。
- 「ダニはクモの親戚みたいな生き物なんだよ」
- 「昆虫は6本足だけど、クモの仲間は8本足」
- 「だから、ダニもクモの仲間。見えにくいけど、よーく見ると足が8本生えてるんだって」
昆虫図鑑やYouTubeの微生物チャンネルなどを一緒に見て、イラストと比べながら話すと、よりイメージが湧きやすいです。

ダニの中にも足の数が違う種類がいる?幼虫期は6本足
実はこれ、少し驚きかもしれませんが、ダニの「幼虫」は6本足です。
ダニの成長過程:
- 卵
- 幼虫(6本足)
- 若虫(8本足)
- 成虫(8本足)
つまり、生まれたばかりのダニは昆虫のように6本足で、成長する過程で8本足になるのです。
この点も、進化の中で非常に興味深い部分であり、「クモと昆虫の中間的な性質も残している」と言えるかもしれません。
ダニの足が見えることってあるの?実際に見るには?
ダニの多くは0.2mm前後と非常に小さく、肉眼で足を識別するのは難しいですが、以下の方法で見ることは可能です。
顕微鏡で観察する
- 100倍以上の光学顕微鏡が必要
- ダニ捕獲シートで取れたサンプルをスライドにのせて観察
- 子どもの自由研究にもおすすめ(※保護者同伴)
私も試しに市販の簡易顕微鏡を使ってみましたが、確かにうっすらと「足らしきもの」が8本見える構造がありました。
※動きが速いため、固定して観察するのがコツです。
クモ綱の仲間には他にどんな生き物がいる?
ダニが属する「クモ綱(Arachnida)」には、他にも以下のような生き物が含まれます。
- クモ:最も身近なクモの仲間(糸を出す)
- サソリ:毒針を持ち、夜行性
- カニムシ:家具や本の間にいる小さな捕食者
- ザトウムシ:細長い足を持ち、毒はない
これらすべてが8本足を持つ仲間で、いわば「ダニの親戚」たちです。
豆知識|「ダニ」と名前についているけど違う生き物もいる?
「ダニ」という名前がついていても、実はダニではない生き物も存在します。たとえば…
- タカラダニ
見た目は赤くて小さな虫。壁やベランダに大量発生するが、正式には「ダニ目」ではなくダニの一種(顕微鏡ではないと足の本数は判断しづらい) - ミズダニ
水辺に住む珍しいダニ。水中生活に適応した8本足を持っている
名前だけで判断せず、分類や足の数でしっかり見分けることが大切です。
ダニの足の数は何本? まとめ
ダニの足の数は8本。これは、昆虫ではなくクモ綱に属する生き物であるということの明確な証拠です。
ポイントまとめ:
- ダニの足は8本。昆虫ではなくクモの仲間
- 体は2つに分かれ、成長過程で6本足→8本足になる
- 小さいけれど、クモと同じ「鋏角類(きょうかくるい)」に属する
- 顕微鏡があれば実際に観察も可能
- 子どもとの自然観察や会話の題材にもぴったり
身近で見えないからこそ、ちゃんと調べると面白い。
ダニの足の数から広がるこの小さな学びが、身の回りの自然への好奇心を育てるきっかけになればと思います。