「猫が体をかゆがっている」「黒い粒みたいなものがついていた」「もしかして、ダニ?」――猫を飼っていると、こんな場面に遭遇することがありますよね。
私自身、完全室内飼いなのに猫にダニらしきものを発見したときは、「どうして?」「どうやって取ればいいの?」と不安でいっぱいになりました。
この記事では、獣医師ではない私が、飼い主目線で実際に調べた猫のダニの取り方、注意点、予防法をわかりやすくまとめています。
猫の健康を守りたい方、これから同じようなことが起きたときに落ち着いて対処したい方に役立つよう、できる限り丁寧に情報を整理しました。

猫につくダニの種類とは?まずは「どんなダニなのか」を知る
ダニと一言で言っても、猫に寄生する種類は複数あります。それぞれ取り方や対処法が異なるので、まずは「どんなダニが猫につくのか」を把握することが大切です。
1. マダニ(屋外でよく見られる大型ダニ)
- 草むらや公園、ベランダなどに潜んでいて猫の皮膚に張りつく
- 吸血しながら徐々に大きくなり、見た目は「黒〜茶色の米粒大」
- 特に耳の後ろ・首回り・足の付け根などに付着することが多い
- 病気を媒介する危険もある(重症熱性血小板減少症候群など)
2. 耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
- 耳の中に寄生する非常に小さなダニ
- 黒い耳垢のようなものが出て、猫が耳をかゆがるのが特徴
- 多頭飼いの場合は感染が広がりやすい
3. ノミダニ(イエダニ・ツメダニなど)
- 他の動物や人間の衣服から家に持ち込まれる
- 猫の全身を移動しながら噛みつき、かゆみやアレルギー症状を引き起こす
- 目視での発見は難しいが、かさぶたや脱毛で気づくことも

猫の体にダニを見つけたらどうする?基本の取り方と対処法
実際に猫にダニがついているのを発見したら、焦らず落ち着いて以下の手順で対処しましょう。
ここでは「マダニ」の場合を中心に解説しますが、他のダニにも応用できるポイントを含めています。
ステップ1:素手で取ろうとしない
猫の皮膚に張り付いているダニを、爪や指で無理に取ろうとするのは絶対にNGです。
理由:
- ダニの口器(くっついている部分)が皮膚に残ると炎症や化膿の原因になる
- 潰すと体液が出てウイルス感染の恐れあり
- 飼い主自身がダニに噛まれるリスクもある
ステップ2:専用のピンセットを使う
【おすすめの道具】
- マダニ除去用のピンセット(先が湾曲したタイプ)
- 「マダニ除去フック」や「ティックツイスター」なども便利
【取り方の手順】
- ダニの頭部近くをピンセットでしっかりと挟む
- 皮膚に対して垂直にゆっくり引き抜く(ねじらない)
- 取れたらダニは密閉袋などに入れて処分
- 猫の皮膚を消毒し、経過観察
補足:
不安がある場合は、無理に取ろうとせずに動物病院へ連れて行くのが一番確実です。
ステップ3:動物病院に相談する
たとえダニが取れたとしても、病気に感染しているリスクや他のダニが残っている可能性もあります。
- マダニ→ウイルス検査、抗生剤の処方が必要なことも
- 耳ダニ→耳の検査・洗浄・点耳薬が必要
- ノミダニ→全身の駆除・予防薬の処方が必要
私のケースでは、マダニを自宅で除去した後、念のため動物病院に連れて行きました。診察で「他に異常なし」と言われて安心できましたが、やはり素人判断で終わらせるのは危険だと実感しました。

耳ダニの取り方と対処方法
耳の中をしきりに掻いていたり、黒い耳垢が見える場合は、耳ダニが疑われます。
自宅ではなく病院での対処が基本
耳ダニは非常に小さく、綿棒で取っても完全には駆除できません。自己判断で耳掃除を繰り返すと、逆に耳の中を傷つけてしまう恐れもあります。
【病院での一般的な治療】
- 耳垢の採取 → 顕微鏡で確認
- 耳の洗浄と点耳薬の処方
- 必要に応じて駆除薬(スポットタイプ)も使用
注意点:
耳ダニは他の猫にもうつります。多頭飼いの方は、同時に全頭の検査と予防処置が必要です。
ノミ・イエダニの駆除方法と注意点
ノミダニは猫の全身に移動していることが多く、1匹見つけたら「複数いる」前提で対応する必要があります。
自宅での取り方・対処法
- ノミ取り用のコームで全身をブラッシング
- 特に首の後ろ・耳の周囲・お腹まわり
- ノミが取れたら、粘着テープや密閉袋で処分
- 必要であれば、駆除効果のあるシャンプーを使用
- ※頻繁なシャンプーは猫の皮膚に負担をかけるので注意
- 動物病院で予防薬・駆除薬を処方してもらう
駆除薬の例:
- レボリューション(耳ダニ・ノミ・ミミヒゼンダニにも対応)
- ブロードライン、フロントライン(マダニにも効果)
注意点:
市販の人間用殺虫剤は絶対に使ってはいけません。猫にとっては命の危険があります。

猫にダニがつかないようにする予防方法
取り除いた後に再発させないために、日頃の予防がとても重要です。ここでは「屋内猫」と「外にも出る猫」の両方に使える予防策をご紹介します。
1. 定期的な駆除・予防薬の使用
月に1回の投与で、ノミやダニを予防できるスポットタイプの薬が一般的です。
- 首筋に滴下するだけで簡単
- 成分は動物病院で処方されるものが安心
2. 屋内環境の清潔化
- 猫のベッド・毛布は週に1回洗濯&天日干し
- カーペットやソファも掃除機&コロコロを徹底
- 湿度を下げる(50%以下が理想)
- ネズミやゴキブリなど、ダニを媒介する害虫の侵入も防ぐ
3. 散歩やベランダ遊びの見直し
- 草むらや砂利の多い場所への接触は最小限に
- ベランダの植木鉢などにもマダニが潜んでいることがある
- 外出後は猫の体をチェックし、ブラッシングする習慣をつける
猫のダニ対策に役立つアイテム
以下は、私自身が調べた中で「使ってよかった」「評価が高かった」ダニ対策グッズです。
- 【レボリューションプラス】
動物病院で定番のスポット薬。耳ダニ・ノミ・マダニを1本で予防。 - 【ダニ捕りロボ(猫用)】
ペット用に設計されたダニ捕獲マット。置くだけで安心。 - 【ノミ取りコーム(猫用)】
細かい歯で、ノミやダニを見つけやすく、日常的なブラッシングにも◎。 - 【防ダニ・洗える猫ベッド】
清潔を保ちやすく、ダニの温床になりにくい素材。 - 【空気清浄機(HEPAフィルター搭載)】
ダニの死骸・フンなどのアレルゲンを除去するのに効果的。
まとめ|飼い主ができる最善の対応とは?
猫にダニがつくと、見た目の不快感だけでなく、かゆみ・皮膚病・感染症といった健康リスクにつながります。
しかし、今回まとめたように、
- ダニの種類によって取り方や対処法が異なること
- 無理に取らず、適切な道具や方法を使うこと
- 根本的な予防を続けること
を理解していれば、慌てず冷静に対応できます。
獣医師ではない私でも、こうして調べて実践したことで、今ではダニに対する不安がかなり軽減されました。
この記事が、同じように不安を抱える猫の飼い主さんにとって、少しでも役に立てば幸いです。